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奈良・京都・大阪
〜奈良〜
正月三ヶ日が終わり、世の中が徐々にまた日常へ戻ろうとしている頃
幸いというか生憎というか、まだ仕事が始まらないこの数日間をどう過ごそうか?
と思っていたところネットで「高速バスJR奈良駅行き」の文字が目に飛び込んだ。
もしやと思い検索してみると、3時間後出発空席アリ。
所用をそそくさと片付けカメラ片手に、気づけば夜行バスのシートに体を沈めていた。。。
crosspointといって風景写真を作品にするようになって以来、
旅先の街並みをサンプリングすることはライフワークと心得ている。
blogには記していないが昨年はローマを訪れていて
同じ古都としてまだ行ったことのなかった奈良は
おのずと僕の中で宿題になっていた。
翌朝6時半、まだ暗い奈良駅前。開いている店も無くとにかく寒さを紛らすために
あてどなく駅前の街を散策。知らない街を初めて歩くことは、これ旅の醍醐味。
google mapを片手に近鉄奈良駅とその界隈を探訪。
どこからともなくうっすら漂う香の香り。思いのほか小さな街だ。
小さなお寺やまだ閉まっているアーケード街などをD800Eに収めながら
30分ほど歩いているうちにやっとファミレスを見つけ入店。暖をとりながら朝食。
さてここからどうしようか?暖かいホットコーヒーを何杯もおかわりしながら
その日の作戦を考える。
千思万考の末結局この旅最大の目的、東大寺にまず出向くことに。
朝8時。寒空の下飄々とした奈良公園の鹿たちの出迎えを受けながら
門が開いたばかりで人もまばらな東大寺へ。
同じ奈良にある法隆寺には聖徳太子で有名な夢殿という建物があるが
実はこの東大寺の大仏殿、子供の頃よく夢に出てきていて
しかし夢のそれは黒沢明の映画の様にもっと朽ちていて薄暗く重く臭かった。
中の大仏に至ってはとにかく大きく黒く、そして何故かいつも上手を向いていた(笑)
今そのまさに夢の場所に立ってみたのだけれど
本物の大仏殿は改修工事も終わり、よく手入れの行き届いた
とても300年前に作ったとは思えないきれいな建造物で、
正直この前に対峙しても何の既視感も感じなかった。
初めて会った大仏様も思いのほか小さく、でも金色でなおかつきちんと正面を向いていた。。
それにしても、1200年前にこんな巨大な仏像をよくぞ作ったものである。
東大寺のあとは正倉院(改修中)二月堂、三月堂、春日神社、興福寺と
社会科の教科書をリアルに徘徊して今回の奈良は終了。
余談だが以前東京にやってきて大フィーバー(古!)になった興福寺の阿修羅像も
実家ではのんびりされていたので、間近でゆっくり鑑賞することができた。
この後この日は京都に泊まることにした。
〜京都〜
京都は東京に次いで良く撮る街である。別段僕に限った話ではないだろうけど(笑)
いつもは古い町並や神社仏閣など古来の日本の文化を感じる場所を撮ることが多いけど
今回はたまたまおいしいお好み焼きを食べに連れて行ってもらった帰りに
その店の近所を初めて探索した。
そこは東九条と呼ばれる京都駅からすぐのところにあるコリアンタウン。
京都は道路が碁盤の目なので、被差別地域の線引きが露骨だ。
道一本隔てていきなり街の空気が変わる。
ところがこの街並も平成の時代になった昨今はその面影を次第に薄くしている。
かつて沢山の人でにぎわっていたというこのエリアも今は閑散としていて
再開発へ向けて次々と立ち退いていった跡が空き地となり虫食い地図状態。
その路地を歩くと昭和の木造住宅と空き地のフェンスが交互に立ち並び、
合間から京都タワーが寂しそうに見え隠れする。
貧しく苦しくともたくましく生きた人々の生活の面影。
残しておいてはいけない負の歴史だけど、無かったことにはできない事。
そんなとき写真が記録、記憶の助けになればと本気で思った。
〜大阪〜
その日の夕方のうちに今度は大阪に移動。いつもはミナミに滞在するのだが
今回は人と会う都合で梅田に宿を取る。
昨年個展で来たときに少しだけ梅田界隈を散策したけれど、この再開発っぷりには驚かされる。
毎回くるたびに高層ビルが1〜2本新しく生えていて、そのカオスの値が日に日に増していく様子は
豊かさよりも驚怖に思えてしまう。
このような物質的な豊かさはもはや今世紀の日本では価値が下がったと思っていたのだが。。。
この日の夜の会食はJR大阪駅の隣、阪急梅田駅のガード下阪急古書のまちの中にある小さなワインバー。
すっかり様子の変わってしまった梅田は全くの不案内なのだが
泊まったホテルが阪急梅田駅の脇で、懐かしい雰囲気を残すこのガード下を歩いているときに
この店をみつけた。
10人も入れば一杯の小さな店内にトイレは無く、店の外に出て古書街を縫っていく。
そんな昔ながらの肩を寄せ合うように店が軒を連ねる下町の風情。
おのずと和んで話も弾み酒も進んで酔っぱらい終電も間近になって来た頃
次は東京で会おうと約束すると友人はまたカオスのJR大阪駅に消えていった。
投稿者 pmken : January 9, 2013 3:52 PM
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