June 2, 2010

NO IMPACT MAN

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自分は別にエコロジストでもなければ何でもない。
だけど妄想だけは結構好きである。 
 

子供の頃から「ニンゲンは地球のがん細胞」みたいな危機感のような意識はずっとあったけど
大人になった今でも、人という動物は自然界に何を持って貢献してるのだろう?と
ずっと考えている。


少なくとも今の文明は地球をむさぼるだけで、人は自然になにも返してない。
そんなこと学校で教わらなかったし、むしろ万物の霊長たる我々の特権として
エコだガイアだと言い出した今も、人間様中心の価値観に変わりはない。
「自然との共生」という言葉にはムシズが走る。なんで対等なんだろか?
環境問題も戦争も最後は人のエゴにたどり着く。


 
ドキュメンタリー「NO IMPACT MAN」の話を聞いて、そんな事が頭をよぎった。
マンハッタンに住む夫婦が、環境に負担をかけない生活を1年続けるという
電波少年みたいなドキュメント。
まだ日本には来てないけど、アメリカではBLOGや本、そして映画にまでなってて
ちょっとした話題だったらしい。

先日、もとボーイスカウトの友人と話をしたときも、今のアウトドアキャンプは
環境に極力痕跡を残さないローインパクトが主流だと言っていた。

そんなこと分かっていても、今更原始人みたいな生活はできない。
でも、テクノロジーで自然をコントロールするなんていう妄想やめて
なんとか、ニンゲンもビオトープのなかに入れてもらえる方策を
考えた方がいいような気がした。

 

文明批判から自然回帰っていうのもベタだけど
ランニングや登山が流行ったりするのも、
どこか便利さに対する揺り戻しだろうに
昨今はそういうことを考える時期なのだと思う。

日本はせっかくそういうの得意な文化を持っているのだから、
いまそれを学ばない手はない。
 
 
そんなこんなで、英語苦手な自分としては
この映画の翻訳版がでる事を切に願っております。


 


 

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March 9, 2010

カケラ

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安藤モモ子第一回監督作品 映画『カケラ』の試写をみた。

監督のモモちゃんは助監督時代、ウチの撮影でも助監督(スチール業界ではロケアシと呼ぶ)を
やってもらったことがあって、それ以来の仲だ。
試写に誘ってくれたこともうれしかったけど、映画が始まると
当時、映画を撮りたい!と熱い想いで語ってくれていたことが思い出されて
もうそれだけでこっちまでうれしくなってしまった。

26歳で劇場映画初監督ということだけど、これがかなり堂に入っている。
きっと自分なんか20代で映画撮ってたら張り切って自己主張しすぎて自滅してただろうに
小憎らしいほど抑制の効いたテンション。編集のリズムもいい。
桜沢エリカの原作を読んだことはないけど、そうであろうリアルな女の子の感触が
直に生々しく伝わってきた。
同世代の女優さんたちの時折みせる仕草や表情がまたモモちゃんっぽかったり。

主演の満島ひかりちゃんが往年の薬師丸ひろ子を彷彿させるwなどといった
細かい映画の内容についての感想はまたいつか。

ポップな派手さはないけれど、この若さでコツコツ心情描写を積み重ねていく作りに
とても好感の持てる作品。
これからもっと深いいろんな人間描写の作品をつくっていってもらいたい。

まずはモモちゃん、おめでとう。

 
 
 


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March 21, 2008

no country for old man

コーエン兄弟のアカデミー賞受賞作を見る。
とても面白かったので、原作本も読破。
その原作との忠実さにまた驚いた。

まあ、テキサスが舞台というだけで個人的にはもう
好きな映画になってしまうのだが・・・w

今までのコーエン兄弟の印象はとにかく優等生。
って全部見たわけではないけれど、
脚本、演出、映像、キャスティング等すべてが
いつも完璧でとても安心してみていられる。
反面、作品の印象が淡白で心に深く残らない。
それが狙いだったと言ってしまえばそれまでだが
今回は違っていた。
いつもどおり映画の完成度は高く
ストーリーも淡々と進むのだが
最小限の台詞と演出で構成されていることもあり
見終わった後からいろんな疑問や印象がジワジワ湧いてきた。
デビッドリンチばりに、何度も見たくなる作品だ。
他人の原作だといくらか客観的になるのだろうか?
とにかく今までとはまた違った、更に磨かれた作り込みを感じた。

やっと彼らの魅力も分かったところで
この先5年後10年後にはもっと円熟してもらって
更なる作品がやってくるのを楽しみにしたい。

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Posted by pmken : 4:03 AM | コメント (0) | トラックバック (0)

February 11, 2007

ラスベガスをやっつけろ

自宅のmacがintelになったことで
いちばん良かったのは、yahoo!やGyaoの動画が
見れるようになった事。


で、このところよく見るのが映画。
ラスベガスをやっつけろ」が最近のヒット。最低にして最高!
テリー・ギリアム、ジョニー・デップ、
ベニチオ・デル・トロ、クリスティーナ・リッチ....面子だけでお腹いっぱい。

1971年を舞台に、60年代ドラッグカルチャーの終焉がコミカル&シニカルに描かれた。

60年代の夢のようなカウンターカルチャーもじきに衰退し、
若者たちもとうとう夢から目覚め、現実世界に飲み込まれていく。
自分たちが信じていたものは何だったのか?

エコノミストがマーケットという怪物を信じるように
イカレた若者はカルチャーという幽霊を信じている(笑)。
音楽にしろアートにしろ、それらとその背景が
生きるうえのアイデンティティにまでなっている。
美大まで行ってしまった小生もまさにその一人だからこそ
その幽霊が消えてしまった時の寂しさはよくわかる。

などと書くと重苦しい映画に聞こえるが
表面的にはぜんぜんお馬鹿なテイスト。
2年はやく公開のジャンキー映画に「Trainspotting」があるが
そこは英米の違いか、とにかく軽い!そのさじ加減、とにかく天才。

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Posted by pmken : 4:03 AM | コメント (2)

February 10, 2006

AEON FLUX

ずいぶん昔、「MASSIVE ACTION FIGURE」という
ムック本を作っていた頃、サンディエゴのコミックコンベンションに
みんなで行ったことがあります。
当時日本ではあまり知られていない、いろんなアメコミの中でも
ピーター・チャンの作品のカルトっぷりには、かなりの衝撃を受け、
「AEON FLUX」グッズをずいぶん買いあさりました。
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それから10年、渋谷の街角で「AEON FLUX」という字面を見るなんて
ゆめゆめ思っておりませんでした。

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この「AEON FLUX」実写版、原作ファンとしてはちょっと・・・・。
アノは虫類っぽい動きと、シュールな世界観を出して貰わないと、ねぇ。

実のところ私、近年のハリウッド特撮映画苦手なんです。
本作もキツいオタク臭で、ぜんぜん突き抜けておりません。
ってトレイラーしか見てないんですが、もうダメな予感。
そんなダメ企画に「AEON FLUX」ほどの面白い原作が
使われてしまった事を、とても残念に思います。


シャーリーズ・セロンの首の太さだけが
原作とは正反対なのに
なぜかカッコイイ気がしました・・・・・。

Posted by pmken : 8:20 PM | コメント (0)

January 27, 2006

トムとジェリー

どうしたことか? あのテーマ曲が頭の中で鳴り止まなくなり、DVD10枚オトナ買い。

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いつ見てもいい。

私世代には、ドリフと並ぶスラップスティックのお約束バイブル。
夕方の再放送アニメの王様として君臨していましたよね。
笑いのツボが、反射神経のレベルで刷り込まれている。
全てはココで学んだといって構わない。

「猫が鼠を追いかける」というプロットだけで
こんなに膨大な量の作品を産み続けたなんて
マンネリの元祖とも言えます。が、それでいてどれも面白くハズレが無い。

主に初期作(ウィリアムハンナ&ジョセフバーベラ)が秀逸なのは、言わずもがなですが
チャックジョーンズのやつも、今見ると柳原良平っぽい絵だったりして、時代のイロがよく出ており、
別のカートゥーンとしてみれば今なら許せます(笑)

そんな中でも、いちばん大好きだった最初期の作品「勝利は我に」が
実は第二次大戦中の制作で、国威高揚がテーマだったりしたのが、
子供心で無邪気に見ていた作品だけに少しショックでした。


きちんと数えてないけど、全部で150話ぐらい入ってるはず。
しばらく楽しめそう!

Posted by pmken : 3:36 AM | コメント (3)

August 14, 2005

チームアメリカ

やっと見てきました、映画「チームアメリカ・ワールドポリス」
昨年からずっと待っていて、デスクトップの壁紙にまでしていたのに
いまごろ日本公開なんて、遅すぎます。
でも、映画は最高!っていうかトレイ・パーカー&マット・ストーンが
またしてもすごいです。

何でもCGで過激な映像が作れる昨今、
ウルトラアナログな人形劇をやるところがまず二重丸。
本家のサンダーバードも、リメイクを実写にしないで
このくらい根気よく作ってほしかったです。
「もう二度と人形なんてみたくない!」というのが
全米公開での2人のコメントらしいのですが
映画の内容とは裏腹に、人形や後ろのセットなどの作り込みは
メチャクチャ丁寧で、表情も豊か、ハンパなくものすごい表現力。
それほどまでに妥協しないで作り込む姿勢に三重マル。
でも歩き方はショボくて、ド派手に爆発して、話はお下劣で愚直、みたいなバランス感覚が
「サウスパーク」同様、相変わらず冴えていてツボにはまりました。

特定の人物をコケにしていく芸風は正直好きではないですが、
それでも悪い気がしないのは、彼らの立ち位置がニュートラルで
たいらにすべてを茶化しており、押し付けがましくないからでしょうか?
時事ネタを扱いながら、作者側からのメッセージが希薄でナンセンスなまま、
というのが至極今っぽく、かえって考えさせられます。

そいえば、コレを見てウィリアム・クラインの「ミスターフリーダム」を
思い出したのは、私だけでしょうか?

Posted by pmken : 10:46 PM